更新:2025年5月25日
ゴミ屋敷や汚部屋といっても、建物、住居によって状況はそれぞれ違います。
住人の高齢化や孤立、在宅時間の増加などを背景に、ゴミの放置が進行してしまうケースも。
悪臭や害虫、火災のリスクが近隣に影響を及ぼすこともあり、私たちにとって意外と身近な問題となってきています。
今日は「きずな屋」のベテランスタッフがゴミ屋敷になってしまったマンションについて考えてみたいと思います。
1.ゴミ屋敷とマンション
1-1 社会の変化と、今の暮らし方の影響
1-2 コロナのあとに見えてきた変化
1-3 誰にも見られないから、気づきにくい
1-4 マンションのゴミ屋敷化リスク
2.マンションにおけるゴミ屋敷の特徴
2-1 近隣住民への影響(悪臭・害虫・火災リスク)
2-2 共用部分のトラブルにも波及
3.ゴミ屋敷を引き起こす見えない要因
3-1 セルフネグレクトの問題
3-2 周囲との関係断絶と孤立化
3-3 環境がもたらす慢性化
3-4 片づけられないことへの罪悪感と悪循環
4.若年層に広がるゴミ屋敷問題
4-1 一人暮らしの増加と管理の難しさ
4-2 SNS時代における“見えない”部屋の現実
4-3 精神的ストレスやうつ症状が片づけに及ぼす影響
4-4 支援が届きにくい若年層の実情と今後の課題
5.マンションのゴミ屋敷片付けは大変
5-1 搬出や移動の手間がかかる
5-2 都市部ならではの道路事情
5-3 専門業者に依頼する方法も
6.ゴミ屋敷になってしまったマンションは専門家に相談
6-1 実績がある業者に依頼する
6-2 相見積もりは必ず
6-3 クチコミもしっかりチェック
7.まとめ
1. ゴミ屋敷とマンション
1-1 社会の変化と、今の暮らし方の影響
最近、「ゴミ屋敷」という言葉をニュースやネットで見かけることが増えてきました。でも、これは特別な誰かだけの問題ではなく、今の社会の中で誰にでも起こりうることです。
ひとり暮らしの人が増えたり、ご近所付き合いが減ったりと、暮らし方が昔とはだいぶ変わってきました。
仕事や家庭のことで忙しい中、片づけが後回しになってしまい、そのまま手をつけられなくなる――そんな日常の積み重ねが、気づかないうちに「ゴミ屋敷化」へとつながってしまうこともあるのです。
1-2 コロナのあとに見えてきた変化
コロナ禍では、家で過ごす時間がぐっと増えました。外に出る機会が減って、誰かと会うことも少なくなったことで、「自分の暮らし」を見直す機会になった人も多いと思います。
でも反対に、孤独を感じやすくなったり、家の中に物が増えたりして、片づけがうまくいかなくなってしまった…そんな声もたくさん聞かれるようになりました。
1-3 誰にも見られないから、気づきにくい
人と会う機会が少なくなると、自分の生活の変化にも気づきにくくなります。
以前なら、友達や家族が遊びに来てくれたり、近所の人と顔を合わせたりする中で「ちょっと部屋を片づけよう」と思えたかもしれません。
でも今は、誰にも見られないことで、「まあいいか」が積み重なってしまい、気がついたときにはなかなか手をつけられない状態になってしまっている…そんなケースが増えてきています。
1-4 マンションのゴミ屋敷化リスク
とくにマンションやアパートなどの集合住宅では、自分の部屋だけの問題ではなくなることもあります。
例えば、ゴミがたまってしまうことでニオイや虫が出てしまったり、火事の心配が出てきたりと、周囲の住人にも影響を及ぼしてしまう可能性があります。
とはいえ、「迷惑をかけたくない」と思っていても、なかなか人に相談しづらかったり、自分だけで片づけるのが難しかったりすることもあるので、
優しく見守りながら、周りもサポートしていけるような環境づくりが大切です。
2. マンションにおけるゴミ屋敷の実例
2-1 近くに住む人にも影響が…(悪臭・害虫・火災の心配)
マンションの中でひとつの部屋が“ゴミ屋敷”のような状態になると、本人だけでなく、まわりに住んでいる人たちにも影響が出てしまうことがあります。
たとえば、ゴミがたまりすぎると、ニオイが廊下にまで漂ってきたり、虫が発生してしまったりすることもあります。
そうなると、他のお部屋の方も不快な思いをしてしまいますし、掃除や対策にも手間がかかってしまいますよね。
また、ゴミの中には紙やプラスチックなど燃えやすいものも多く含まれていることがあるので、火災のリスクも心配されます。
万が一のときには、自分だけでなく建物全体に被害が及ぶ可能性もあるため、安全面でも見逃せない問題です。
2-2 共用部分まで広がるトラブル
お部屋の中だけにとどまらず、ゴミを一時的に共用廊下に置いてしまったり、ゴミ出しルールが守られなかったりすることで、共用スペースにもトラブルが広がるケースがあります。
たとえば、エントランスやゴミ置き場に出されたゴミが収集日ではないために放置され、カラスや猫が荒らしてしまう…そんな光景を目にしたことがある方もいるかもしれません。
管理会社や管理組合が注意を促しても、うまく伝わらなかったり、そもそも本人が気づいていなかったりすることも多く、問題の解決には周囲の理解や支援も必要になります。
3. ゴミ屋敷を引き起こす“見えない要因”とは?
3-1 “自分を後回しにしてしまう”セルフネグレクトという問題
ゴミ屋敷のような状態になる背景には、ただ「片づけが苦手だから」というだけではない、もっと深い心の問題が隠れていることがあります。その一つが「セルフネグレクト(自己放任)」と呼ばれる状態です。
これは、自分の健康や生活を気にかける気力が持てなくなってしまうことで、食事や掃除など、日々の基本的なことがだんだん手につかなくなってしまう状態を指します。決して「だらしない」わけではなく、心が疲れていたり、何か大きなきっかけで意欲を失ってしまっているケースも多いのです。
3-2 人とのつながりがなくなって、孤立してしまう
まわりとの関係が薄れていくと、生活のリズムも崩れやすくなります。誰かと話す機会がない、訪ねてくれる人もいない、そんな状態が続くと、「見られていないから、まあいいか」という気持ちが少しずつ強くなっていきます。
結果として、自分の生活の状態を客観的に見直すきっかけが減り、ゴミが増えていても気に留めなくなってしまうことがあるのです。
3-3 「誰にも何も言われない」ことで、気づかぬうちに慢性化
今は昔に比べて、プライバシーが大切にされる時代です。
それはとても大切なことですが、一方で、人に注意されたり助けを申し出られたりする機会も減ってきました。
特にマンションやアパートなどでは、近所づきあいが少なく、ゴミが増えていても誰にも気づかれないまま、何年もその状態が続いてしまうこともあります。
「気づかれないからそのままに」→「さらに悪化する」という悪循環に入ってしまうのです。
3-4 「片づけなきゃ」と思うほど、苦しくなることも
ゴミ屋敷の状態になってしまった方の中には、「本当は片づけたい」「なんとかしたい」と思っている方も少なくありません。
でも、いざ片づけようとしてもどこから手をつけたらいいのか分からなかったり、物を見ただけで気が重くなったりして、手が止まってしまうことも…。
そんなとき、「自分はダメだ」と感じてしまうと、ますます気力を失ってしまい、状況がさらに深刻になってしまいます。
このような“罪悪感”が重なって、片づけられない日々が続く…という悪循環に陥ることがあるのです。
4. 若年層にも広がるゴミ屋敷問題とは?
4-1 一人暮らしが増えて、管理のハードルも上昇
「ゴミ屋敷」というと中高年や高齢者の問題と思われがちですが、最近では20代・30代の若い世代でも、同じような状況に陥ってしまうケースが増えてきています。
その背景には、一人暮らしの増加があります。初めてのひとり暮らしでは、家事や片づけをすべて自分でこなさなければならず、
仕事や学校で忙しいと、つい掃除やゴミ出しが後回しになってしまうことも。
最初は「ちょっと散らかってるだけ」と思っていても、疲れやストレスがたまってくると、だんだん片づける余裕がなくなっていってしまうことがあります。
4-2 SNSではキレイに見せても…現実とのギャップ
今はSNSの時代。InstagramやTikTokでは、オシャレな部屋や丁寧な暮らしを発信する投稿がたくさんありますよね。
でも、それを見て「自分の部屋は全然ちがう…」と落ち込んでしまったり、他人に見せるのが恥ずかしくて、誰にも相談できずにひとりで抱え込んでしまう若者も少なくありません。
実際には、「画面の中」と「現実の暮らし」にギャップがあるのは当たり前。それでも、「誰にも見られないから…」と、そのままにしてしまう状況が続くと、気づいたときには手がつけられないほど散らかってしまうこともあります。
4-3 心のコンディションが片づけに影響することも
精神的なストレスや、うつのような症状も、片づけができなくなる一因になります。
気分が落ち込んでいると、何をするにも力がわかず、「片づけなきゃ」と思っても体が動かない。部屋が散らかっているとますます気持ちが沈んでしまい、悪循環になってしまいます。
こうした心のサインを「怠けている」と捉えるのではなく、「今、ちょっと元気が出ないんだな」と受け止めることが大切です。
4-4 若い世代には支援が届きにくい現実
若年層がゴミ屋敷状態になってしまった場合、なかなか行政の支援につながりにくいという課題もあります。
年齢的に「若いんだから自分でなんとかできるだろう」と思われたり、困っていること自体を誰にも言えず、長い間ひとりで抱え込んでしまうケースが多いのです。
今後は、年齢に関係なく「片づけられないこと」がSOSのサインかもしれないという視点を社会全体で持ち、気軽に相談できる場所や支援体制を広げていくことが求められています。
5. マンションのゴミ屋敷片付けは大変
5-1 搬出や移動だけでもひと苦労
マンションでゴミがたまってしまったお部屋を片づけようとすると、思った以上に大変な作業になることがあります。
まず、エレベーターや共用廊下を通って、ゴミや不用品を搬出する必要があるため、ちょっとした家具や袋詰めされたゴミでも、何度も往復しなければならず、体力も時間もかなりかかります。
また、共用部分を通る際には、近隣住民の方への配慮も必要ですし、音やニオイにも注意しなければならないなど、気を使う場面が多いのも特徴です。
5-2 都市部ならではの“片づけにくさ”も
都心のマンションでは、建物の前の道が狭かったり、駐車スペースがないこともよくあります。
そのため、大量のゴミを一度に運び出したいときでも、大型のトラックが近くに停められなかったり、運搬の動線が限られてしまうことがよくあります。
また、近隣の住居との距離が近いため、作業時の音やニオイなども気になりやすく、どうしても慎重な対応が求められます。
5-3 専門の業者に頼むという選択肢も
もし「自分ではどうにもできない」「家族や友人にも頼みづらい」と感じたら、無理をせず専門業者に依頼するという方法もあります。
ゴミ屋敷片づけのプロは、ただゴミを運び出すだけでなく、仕分け・分別・搬出・清掃までトータルでサポートしてくれますし、マンション特有の制約にも配慮しながら作業を進めてくれます。
費用は内容や部屋の広さによって変わりますが、まずは見積もりだけでも相談してみると安心です。
女性スタッフを指名できるサービスや、夜間・休日対応など柔軟な対応をしてくれるゴミ屋敷片づけの業者もいます。
>>【参考コラム】
6.ゴミ屋敷になってしまったマンションは専門家に相談
6-1 まずは実績のある業者に相談してみる
「もう自分ではどうにもできない…」という状態になってしまったとき、一人で抱え込まずに、まずは片づけの専門家に相談することをおすすめします。
ゴミ屋敷の対応に慣れている業者であれば、作業に必要な手順や近隣への配慮、マンション特有のルール(管理組合への連絡や搬出経路の確認など)にも詳しく、安心して任せることができます。
専門的な知識と経験があることで、作業もスムーズですし、依頼者の気持ちにも寄り添った対応をしてくれるでしょう。
6-2 「相見積もり」で適正な価格と対応を見極め
業者に依頼する前に、必ず複数の会社から「相見積もり」をとって比較するようにしましょう。
同じような作業内容でも、料金やサービスの範囲が業者によって異なることがあります。
中には相場より高額な料金を請求するところもあるので、価格だけでなく説明の丁寧さや対応の誠実さなど、総合的に判断するのがポイントです。
見積もりは無料で対応してくれる業者がほとんどなので、気になることは事前に遠慮せず質問してみるとよいでしょう。
6.3 クチコミや評判もチェックして安心
実際に利用した人のクチコミや評価も、業者選びの大事な参考になります。
ネット上のレビューやSNS、比較サイトなどを使って、実際の作業の様子や対応の質などを事前にチェックしておくと安心です。
「親切だった」「片づけ後の清掃も丁寧だった」など、リアルな声を知ることで、安心して任せられるかどうかの判断材料になります。
逆に、「連絡が取りづらかった」「料金説明があいまいだった」といった声が目立つ業者は、慎重に検討することをおすすめします。
7.まとめ
ゴミ屋敷問題は個人の問題ではなく、社会的背景も大きく影響しています。
早めの対策と支援の活用が必要です、「片付けられない自分」を責めず、少しずつ前に進むお手伝いができればと「きずな屋」のスタッフも考えております。
私たち「きずな屋」は、ゴミ屋敷で悩む方々を数多くサポートしてきました。
もし一人での片付けが難しいと感じたら、ぜひ専門家にご相談ください。
この記事の監修者した人

株式会社 きずな屋 代表取締役 久保田満
遺品整理やゴミ屋敷片付けの現場を長年担当してきたベテラン中のベテラン。
遺品整理やゴミ屋敷片付けの現場を的確に把握し信頼性の高い見積もりをお客様に提示することが高く評価されている。日々丁寧な仕事を心掛け様々な現場へを周りお客様の故人との思いをより反映できるような遺品整理を目指している。
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