成年後見人でも生前整理や遺品整理は依頼可能? やり方やメリットを解説【プロが教える遺品整理コラム】

更新:2022年9月1日

厚生労働省が令和2年に発表した「簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳と世界でもトップクラスの長寿です。
その一方で、高齢になると認知症などの様々な理由で責任能力が衰えることが珍しくなくなります。そこで、2000年より判断能力が低下した人が不利益を被らないように支援する「成年後見人制度」が制定されました。それから約20年が経ち、成年後見人に指定された方が生前整理や遺品整理の相談に来るケースが増えています。今回は、きずな屋の専門スタッフが生前整理や遺品整理を成年後見人が依頼するメリットや必要性を解説します。

1.成年後見制度が必要になるケースとは?

成年後見制度とは、認知症などで判断能力が低下した人が詐欺などの被害にあったり家族が本人の財産を使いこんだりしないように、成年後見人が本人に代わり財産管理や契約行為の支援を行う制度です。成年後見には本人自ら判断能力が低下したときに備えて指名して契約する任意後見と家庭裁判所が後継人を選任する法廷後見の2種類があります。さらに、法廷後見は「後見」「保佐 」「補助」の3種類に分かれており、与えられる権利や代理権付与に関する本人の同意が必要かどうかが異なります。

2.成年後見人が生前整理を依頼するメリット

成年後見人は、判断能力が低下した本人に代わって財産管理や契約行為の支援を行うことができます。ここでは、成年後見人が生前整理を依頼するメリットや生前整理が必要になる事例をきずな屋の経験豊富なスタッフがいくつかのポイントを解説します。

判断力が低下しているとゴミ屋敷や汚部屋を作りやすい

認知症などで判断能力が少しずつ低下していくと、身の回りの整理整頓がうまくできなくなり、汚部屋やゴミ屋敷を作ってしまうことがあります。持ち家ならば成年後見人を含む兄弟や親族と協力して片付けることもできますが、賃貸物件の場合は、早急な片付けを求められることもあるでしょう。
汚部屋やゴミ屋敷の片付けは、個人ではなかなか難しいものです。業者に依頼すれば、短時間でゴミの回収・分別・運搬まで行ってくれます。

必要な重要書類を探してもらえる

成年後見人になると、本人に代わって各種契約の引継や解約などを行う必要が出てくることもあります。しかし、汚部屋やゴミ屋敷では「どこに重要書類があるかわからない」という事態になりがちです。個人で探すのはなかなか難しく、手間もかかります。業者に依頼すれば、手分けして契約の確認・継続・解除に必要な書類や貯金通帳、土地の登記簿などの貴重品を探してもらえます。

請求書や領収書の発行も可能

成年後見人は、財産管理や契約行為の支援を行うことはできますが、個人の財産を好き勝手したり法廷後見の「後見」に該当しなければ、本人の意思を確認せずに契約したりすることはできません。本人の了解を得て行ったことでも、会計を明確にするために領収書を取っておく必要があります。遺品整理業者は、そのあたりのことをよくわかっているので、請求書や領収書の発行も行ってくれます。しっかりと領収書をとっておけば、後でトラブルを防ぐこともできるでしょう。

成年後見人からの依頼を受けた経験のある業者に依頼する

成年後見人が生前整理を依頼する場合、本人が依頼するのとは勝手が違うことがあります。成年後見人が依頼する際に必要な書類などもあるので、依頼を受けたことのある業者に依頼しましょう。生前整理業者・遺品整理業者は特に資格などを取得しなくても開業できます。そのため、まったく別分野から生前整理・遺品整理業に参入する業者もあります。
新規参入業者がすべて悪いとはいいませんが、やはり経験のある業者に依頼したほうが安心です。

依頼は早めに行う

生前整理はものが多いほど手間と費用がかかります。また、本人が施設に入所するために生前整理をしたいという場合は、時間にも限りが出てきます。生前整理や遺品整理業者は24時間年中無休で依頼を受けてくれる業者も多いですが、急な依頼が絶対に受けてくれるとは限りません。いざというときに慌てないためにも、依頼は早めに行うことが大切です。

まずは見積もりを作ってもらう

遺品整理・生前整理の需要が増えるにつれて、トラブルも増加しています。国民生活センターには、「遺品整理や生前整理を依頼したら、高額な作業料などを請求された」「貴金属を不当に安い値段で貴金属を買取された」といった相談が寄せられています。遺品整理・生前整理業者を名乗って、電話や飛び込みでセールスを行い、トラブルになったこともあるので、注意が必要です。
生前整理・遺品整理を依頼するときは、「早急に行ってほしい」ケースもあるでしょう。
しかし、だからこそ見積もりをしっかりと作ってもらい、納得のうえ成年後見人と本人の両方で確認をしたうえで、契約をしてください。

 

まとめ

今回は、成年後見人が生前整理・遺品整理を行うメリットや必要性、依頼の方法などを紹介しました。遺品整理や生前整理は、必要ならば本人の了解を取ったうえで依頼することができます。ですから、必要だと思ったら成年後見人が依頼しましょう。必要な書類を探してもらえたり、部屋を手早く片付けしてもらったりとメリットもたくさんあり、成年後見人の負担を減らすことができます。
きずな屋は遺品整理、生前整理の専門家です、見積や相談は無料ですので分からないことが多い遺品整理、生前整理に悩まず、まずは気軽に相談してみてください。

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